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上甲清 「注連縄飾り」

この度graf shopでは、愛媛県西予市で農家を営む上甲 清(じょうこう きよし)さんの伝統的藁細工、「注連縄飾り」の取り扱いが12月中旬より始まります。

私たちが上甲 清さんの注連縄飾りに出会ったのは、お孫さんである上甲 智香さんが、祖父である上甲 清さんの伝統的な手仕事とそこから生まれた藁細工を多くの人たちに知ってもらいたいと4年前から活動を始めた「#孫プロジェクト」を、今年の春に知ったことがきっかけでした。

左:上甲 智香さん 右:上甲 清さん 

今は必要なものが容易に手に入り、新しいものがどんどん世の中に発信される時代です。
私たちはものを販売する立場として、作り手の方の思いや、長く受け継がれ大切にされてきた工藝品の在り方を正しくお伝えすることが務めであると考え、今回、上甲さんの元を尋ねることにしました。
そこで、藁細工に使うために育てられている稲の稲刈りを体験させていただき、お話しもたっぷりとお伺いすることができました。

ご自宅に併設された作業場。繁忙期は午前3時から作業されることもあるとか。

田植えや稲刈りなど天候に左右されながらの作業は心身共に根気のいる作業。機械ではなく今も一つひとつ手作業で行われています。さらに、藁の収穫、藁を綯(な)うまでの一連の作業を、お一人でおこなっておられます。
この注連縄の大きな特徴は、 藁細工のためだけに選定された稲の品種を使っているということです。試行錯誤繰り返し、藁細工に必要な強度や美しさを見極め、選ばれた品種のみを使用しています。

縄の中心に位置している結びの形はお神輿の飾りから着想を得た「宝結び」と呼ばれる清さん独自のもの。連続する無限を意味し、永久の繁栄、長寿、多幸などを願う吉祥紋と呼ばれ、年末に飾る七五三縄(しめなわ)として最適なかたちです。宝結びの先には、黒と白それぞれの古代米の稲穂がさがる美しい2種類の注連縄飾りです。

西予市を訪れた帰り際、清さんに今後の夢をお伺いしたところ、「2025年大阪万博の日本館に、この注連縄飾りを飾りたい。」と心強く仰ってくださいました。

地元に根づいた工藝をもっともっとたくさんの人に知ってもらい、かっこいい祖父の姿を広めたいと始まった、孫プロジェクト。智香さんの熱い思いによって、その素晴らしい注連縄が日本中、世界中へと広まっていて、今の時代だからこそできる広がりや繋がりに工藝の未来が垣間見えた気がしました。

graf shop店頭では、上甲 清さんの作るこの注連縄飾りを12月中旬より店頭にて販売を行います。
オンラインショップでは先行予約が始まっております。お届けは11月下旬から12月上旬となります。予定数に達し次第、受付を終了させていただきますので予めご了承下さい。
≫オンラインショップはこちらからご覧ください。

注連縄飾り/黒
ミドリマイと呼ばれる古代米の穂を使用しています。黒に加えてやや紫色がかった色合いが特徴的です。
¥6,600(税込)size:約 / 高さ450mm×幅300

注連縄飾り/白
ミツヒカリと呼ばれるうるち米と、クレナイモチと呼ばれるもち米の穂を生育状況によって使い分けています。
色差は見た目には分かりづらいですが、黄金色が強い方がクレナイモチになります。
¥6,600(税込)/ size:約 高さ450mm×幅300

箒(ほうき)
また、注連縄を作る際に出た藁で作る、箒を少量ですがご用意しました。穂先の程よいしなりと、手に馴染見やすい取手。箒を掃く際に、ほのかに藁の香りがします。こちらは3サイズ、graf shop店頭のみでの販売となります。
[小] ¥1,500(税込)[中] ¥1,800(税込)[大] ¥2,200(税込)


上甲 清

1936年(昭和11年)生まれ。
愛媛県西予市宇和町西山町山田に工房を構える、藁職人。
2002年~ 2018年 藁文化を伝える為、全国各地で大会やイベントに参加。
2021年 21世紀えひめの伝統工芸大賞 愛媛朝日テレビ社長賞 受賞。

実際の作業の様子は下記から、動画でもご覧いただけます。