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滋賀県立美術館常設展「さわるSMoAコレクション」映像制作

grafがディレクションを行った映像が、滋賀県立美術館で開催中の常設展「さわるSMoAコレクション」の中で上映されています。
この映像は、美術家 伊庭靖子さんのペインティング作品の「触図(しょくず)」を制作する中で、触図制作者の小川真美子さん、美術家で鍼灸師でもある光島貴之さん、そして伊庭靖子さんの3者が意見を交換し、完成に至る過程を見ることができます。
※触図とは、触覚を通して描かれているイメージを伝えるものです。


さわるSMoAコレクション
会期:2023年10月7日(土)〜12月20日(水)
※11月20日(月)〜11月22日(水)は休室休館日
休館日:毎週月曜日(祝日の場合は開館し、翌平日休館)
主催 :滋賀県立美術館


開催概要

この展示は、見えない人、見えづらい人たちを含めた、いろいろな人に作品を鑑賞していただくために、美術館は何ができるかを考えるところから始めました。

 本展では、もっとも視覚的な表現とも言える絵画を取り上げます。
絵画を視覚以外でも鑑賞してもらえるよう、当館のコレクション作品を「触図(しょくず)」とともに展示します。       
 触図とは、視覚障害のある人に描かれているものを伝えるために、輪郭線や面を凸状に浮きあがらせたり、素材をかえて手ざわりを変化させたりして、描かれているイメージを触覚で伝えるツールです。触図を使った鑑賞は、絵画の内容を言葉で説明されることに比べて、描かれた
ものを自分のペースで探して、発見することができます。一方、視覚から触覚へ翻訳していく過程には、色をどのように表現するのか、描かれたものや絵の具の質感はどう伝えるのか、自分の身体よりもずっと大きな作品はどう体感してもらうかなど、いくつもの課題があります。
 こうした課題に対して、今回の展示では触図の制作者や視覚障害のある人に相談しました。作品を制作した作家に相談した触図もあります。相談しながらつくった触図は、大きさや作品の構造などを伝えるために、いくつかのアイデアを盛り込んでいます。

 
これらの触図を使った触覚を通しての作品との出会いは、普段視覚だけで作品を鑑賞している人にとっても新しい体験になるのではないかとも考えています。そしてこの展覧会が、見えない人、見えづらい人を含めたいろいろな人たちにとって、より豊かな鑑賞のきっかけになることを願っています。


※展示室内のごあいさつ以外の文章は、「やさしい日本語」で書かれています。やさしい日本語は、外国にルーツのある人など、日本語に不慣れな人々に情報を伝えるために使われています。また、長かったり、漢字が多かったりする文章が得意でない方にとっても理解しやすい文章です。

※作家作品解説や触図の説明など、文字情報を点訳しています。